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2012.05.12B型肝炎 欧米型7.5%慢性化    厚労省研究班調査

B型肝炎のうち、欧米が起源で日本でも広がりをみせているタイプのものは感染後に7.5%の人が慢性化していることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。

慢性患者の占める割合は10年で倍増しており、肝がんなどに進行する恐れもある。主に性感染で広がるが、国内にもともとあるB型肝炎ウイルスは成人が感染しても慢性化しないとされ、ワクチンも普及していない。

国立国際医療研究センターの溝上雅史・肝炎・免疫研究センター長らが、全国70病院の協力を得て調査した。B型急性肝炎で欧米タイプ(遺伝子タイプA)の患者107人のうち7.5%が慢性化して、1年以上感染が続いていた。

また慢性患者のタイプが1999~2000年は1.7%だったが、05~06年は3.5%、10~11年は4.1%に増えた。B型肝炎ウイルスは、遺伝子のタイプで慢性化率など性質が違う。国内で古くから母子感染などを引き起こしてきたタイプBとCは、乳幼児に慢性化の恐れがある一方、成人は慢性化しないと考えられている。

B型肝炎は主に血液を通して感染する。タイプAの広がりは性感染とみられ、全国で慢性患者は約2万人と推計されるという。B型肝炎を防ぐワクチンは、日本では母子感染や医療関係者など一部の人に使われているだけだ。

溝上さんは、「慢性化する病気であることがまだ十分知られていない。早急に感染拡大対策を立てる必要がある」という。(編集委員・浅井文和)

2012年5月12日 朝日新聞夕刊より抜粋

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