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2013.04.14お酒に強い、思い込み禁物 肝臓に脂肪蓄積の恐れ

飲んでも1日2合まで

歓迎会などで酒を飲む機会が増える季節だ。日本人はアルコールに弱い体質の人が多く、肝臓もダメージを受けやすい。ただ「沈黙の臓器」と呼ばれ、トラブルを抱えてもすぐには症状が表れにくい。体に負担が少なく、健康的にお酒を飲むポイントを知り、体調を崩さないよう気をつけよう。

口から入ったアルコールは約2割が胃から、約8割が小腸から吸収され、血液によって肝臓に送られる。肝臓ではアルコールを2段階で分解する。まずはアルコール脱水素酵素(ADH)で、毒性のあるアセトアルデヒドに、次にアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)で無害な酢酸になり、体外に排出される。

2日に1合、最も死亡率低く

ALDH2は3タイプがあり、遺伝子の組み合わせで、この酵素の働き具合が決まる。日本人の4割はALDH2の働きが弱く、お酒を飲むと悪酔いや頭痛などを起こしやすい。1割はほとんど働かず、酒が飲めない下戸となる。白人や黒人に比べ、日本人が酒に弱いのはこのためだ。

しかし、酒に強いタイプだからといって安心して大酒を飲むのは禁物。「自分は酒に強いから大丈夫と思っている人こそ、肝臓を悪くする可能性がある」と慶応義塾大学の加藤真三教授は指摘する。ALDH2の活性が高いと大量の酒を飲めるが、肝臓でアルコールが分解される際に中性脂肪が蓄積し、肝臓障害が起きやすくなるからだ。

国立病院機構久里浜医療センターの横山顕・臨床研究部長は「毎日、日本酒3合以上を5年以上飲み続けると脂肪肝に、5合以上を10年以上飲み続けると肝硬変になりやすい」と話す。日本酒1合はビールなら中瓶約1本に相当する。

「酒は百薬の長」といわれるように、程よく飲めば、ストレス発散や心筋梗塞のリスク低下など健康によい影響をもたらす。厚生労働省が飲酒量と死亡リスクの関係をまとめた調査でも、酒を飲まない人の全死亡率を1とした場合、「2日に1合程度飲む人」が約0.7と最も低かった。ただ、それより飲む量が増えるに従い、リスクも高まる。全く飲まない人が無理して飲酒するのはよくない。

日本経済新聞WEB 2013/4/14付より抜粋

 

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